ASDを受け入れるまで 心療内科 検査

ボクの検査~診断まで

2020年9月30日。
ついに診療の日がやってきました。
ボクと一緒に病院へ行き、心療内科の先生とお話ししました。

ボクは外では集団生活ができていること。過剰反応に見えるくらい嫌いなものや、怖がることがあるけれど、だんだん克服していること。ママは特に「変わっている」と思っていなかったけれど、ピアノの先生の言葉がきっかけで受診に来たのだということなどなど。
先生からの質問は、ボクにも向けられました。
家族構成について尋ねられた時、姉と兄との年齢差や学年などきちんと把握していて、正確に答えたことは意外でした。初対面の先生にも物怖じをしないし、ほかにも尋ねられることに対して、つらつらと答えました。
「家で甘えんぼだけど、外ではしっかりしているんだな」と親として安心しました。
最後に、先生から「せっかく来てくださったから、検査してみませんか?」といった柔らかい口調で、特性の分かる検査をすることを提案され、次回の予約を入れて帰りました。
ボクはおしゃべりが大好きなので、先生がしっかり聴いてくれたことに満足したのか、帰り道に
ボク「あと何回ここにこれるの?」
ママ「次から検査が3回あるから、そしたら終わりかなぁ」
ボク「へぇそうなんだ。あと3回!! お別れの日のことを考えると、今からさみしいよ~」
といってました。

2回目となる来院から、ボクの検査が始まりました。
まずは、作業療法士の方との運動機能の検査でした。
この日はママも隣で見ることができました。
風船やトランポリンやバランスボールを使っていたように記憶しています。
「ボクくん、今度はスキップしてみよう」などという声掛けに応じて活動して、運動機能を見てくれました。
スキップはできないし、風船をキャッチしようとしてトランポリンからバタッと倒れるしで、残念な感じでしたが、とにかく嬉々として楽しんでやっていました。

1週間後の検査2回目は、臨床心理士の方と2人で、2時間ほどに渡る知能検査「WISCⅣ」をしました。
「ボクくんが慣れたらお母様は退室してください」とのことで、ママは最初の3分ほどいただけで、内容をほとんど見ていません。
5分ほどの休憩を挟んでの長時間の検査でしたが、「あぁ、楽しかった~」といって、疲れた様子もなく、帰り道もご機嫌でした。
1週間後もその続きの知能テストがありました。

回を追うごとに、外でのしっかり応対しているボクの様子が頼もしいくらいで
「これは発達障害なんかじゃないな。もしそうだったとしても“傾向”くらいだな」との思いが募っていきました。

初めての来院から1ヶ月以上が経ち、通院の途中の大通りの銀杏が色づき始めた11月4日。
ついに先生から検査結果を聴く日となりました。

ママが一人で訪れた診察室には、棒グラフや数値が記載された紙が7枚も用意されていました。
いつもにこやかな先生と挨拶を交わした後、「お手元の検査の結果を読み上げますね」といって、先生の声に合わせて文字を目で追いました。
得点プロフィールの4つの項目の数値の開きがどうも問題のようでした。
そして、その3枚目に、「親面接式自閉スペクトラム症」とはっきり記載がありました。

ママ「でも先生、自閉症傾向ってくらいですよね?」
先生「いえ、言語理解とワーキングメモリーのこの差、70以上も開きがある。ぼくもこんな数字は滅多にみたことないです。いやないかも。言語理解・知能に関しては2歳上3歳上、これはすごく高いです。好きなことを見つけたら、どんどん知識を吸収していく。どんどん伸びますよ。だけど、こっちの数値との落差が激しい。これが“生きづらさ”に繋がるんです」
おそらくこんなふうにいわれたように記憶しています。
ママの胸中は複雑でした。
「ボクの検査結果が、疑いようのない数値の自閉症だなんて」という落胆と、
「わぁ~、あの止めようがない泣き方は、子育ての誤りじゃなかったんだ~」という安堵の思い。
その二重の相反する感情。
そのショックが、涙となって出てこようとしましたが、なんとか瞼の淵に閉じ込めることができました。

「ご希望であれば、自閉スペクトラム症について特長や接し方についてお話ししますが、いかがでしょう?」
ということで、また次の予約を入れて、帰宅しました。

つづく

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